超ヘビースモーカーだった私
私の喫煙していた期間は、約20年です。
正確には憶えていませんが、20歳前後で喫煙を始めました。
私にとっての不運は、父が、とてつもないヘビースモーカーだったこと。
多くのヘビースモーカー、喫煙依存症、タバコ中毒者がそうであるように、
家にタバコの煙が当たり前のように漂っていました。
冬など、閉め切った部屋の中で、父はスパスパ。
子どもの頃から、その汚れた空気と煙をたっぷり吸って育ちました。
冬になると、マラソンがイヤでした。
なぜなら、私はすぐに息が苦しくなってしまい、どんなに頑張っても後の方
でした。
自分で言うのもなんですが、運動神経は良かったのです。
短距離走や、走り幅飛び、走り高跳び、鉄棒など、他の競技なら、いつも
上位でした。
それでも、マラソンだけは、まったくダメでした。
息が苦しくて、苦しくて、ゴールまでたどり着くのが精一杯でした。
今から考えれば、家に常に漂うタバコのせいで、肺が汚れていて、うまく
酸素を取り込めなかったのです。
子どもながらに、肺はすでに黒く汚れていたのではないかと思います。
タバコについては、おいしいものだと思ったことはありません。
ただ、タバコが大人の象徴のように見えていたのは確かです。
ゆったりと火をつけ、ゆっくりと吸い、そしてやわらかく煙を吐き出す。
その様子が、落ち着いた一人前の人間像と写っていました。
子どもながらに、タバコ=大人の男、すなわち憧れのようなイメージを
もっていました。
(今から考えれば、まったくバカバカしく、有害な幻想です。)
それでも、学生時代や仕事を始めて間もない頃には、一日の喫煙量は、
1〜2箱ぐらいでした。
それもニコチン、タールも少量の、いわゆる「軽いタバコ」です。
しかし、社会人になって、仕事でのストレス、人間関係のストレスなどが
多くなってくるにつれ、喫煙量も多くなってきました。
また、ニコチン、タールの多い、いわゆる「きついタバコ」になっていきました。
気づいた頃には、一日に80〜120本、4〜6箱ぐらい吸うようになって
いました。
仕事中、休憩中、読書中は、常に喫煙していました。
苦しい時、悲しい時、ストレスを解消したい時、イライラした時。
そして、楽しい時、談笑している時、考えている時。
いつも、タバコとライターと灰皿が近くにありました。
もう、固い絆で結ばれた親友みたいなものです。
20歳代後半には、すでに完全なタバコ中毒になっていました。
何度も、禁煙しては失敗する。
私は、そんな超ヘビースモーカーでした。
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